「はじめての構造主義」④

◼️神話研究

    レヴィ=ストロース民俗学研究から、神話研究へと対象を移していくのだが、彼以前の神話研究はどのような状態だったのだろうか。神話は、あらゆる民族が持っており、神話を持っていない民族はいないと言える程であった。しかし、各地の神話を集めたはいいものの、共通項はあれど、どう分析すればいいかわからないという状態であった。

     そこで、レヴィ=ストロースは以下のような神話分析手法をとった。

①神話の分析単位を、各神話ではなく、神話の集合に格上げ

②神話の筋を無視して神話素に分解

③神話素を貫く対立軸を発見

④表を作り、神話素を対立軸の上に書き並べる

     このような、レヴィ=ストロースの分析は鮮やかであるが、他の誰がやっても同じ結果となるかは怪しかった。

     しかし、レヴィ=ストロースの神話分析の手法は、西洋知的世界に大きな衝撃を与えた。なぜなら、神話分析は、テキストを破壊してしまう、無神論の学問だからである。