2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「はじめての構造主義」⑤

構造主義は、西洋の伝統的な知のシステムを批判します。例えば、キリスト教圏では絶対的な存在である神の教えを示した聖書に対して、構造主義は聖書というテキストそのものよりも、「読む」という態度を上位に置きます。 構造主義は、西洋の知のシステムのメ…

「はじめての構造主義」④

◼️神話研究 レヴィ=ストロースは民俗学研究から、神話研究へと対象を移していくのだが、彼以前の神話研究はどのような状態だったのだろうか。神話は、あらゆる民族が持っており、神話を持っていない民族はいないと言える程であった。しかし、各地の神話を集…

「はじめての構造主義」③

◼️構造人類学の成功 レヴィ=ストロースは、1960年ごろを境に、神話研究に没頭していく。親族研究より、神話研究の方が、人間の精神の隠された構造に近づけると考えたそうだ。

「はじめての構造主義」②

◼️音韻論の発達 レヴィ=ストロースが、自身の人類学研究に応用したのは、ソシュールの影響を受けて発達した音韻論の方法である。 音韻論とは、言語学の一分野である。言語学は、音韻論、統語論、意味論に大きく分けることができる。音韻論は、ソシュールによ…

「はじめての構造主義」①

◼️フェルディナンドソシュール 構造主義の生みの親とされる、レヴィ=ストロースが、構造人類学を確立できた背景には、2人の人物がいる。1人は、第二次世界大戦の際、レヴィ=ストロースと同じくアメリカに亡命していた言語学者ローマン・ヤーコブソン。もう1…